現役フライトアテンダントからのお願い。シートベルトをお締めください!!
アメリカからこんにちは。旅するおかあさんNagisaです。
子育てをしながらフライトアテンダントをしています。
年末年始、旅行に出かける方もたくさんいると思います。
今日は、飛行機で旅する方にぜひ読んでもらいたい、シートベルトの話。
説教くさい〜とか言わずに、ちょっと読んでみてください(笑)
目次
機内でシートベルトを締めるのはいつ?
Taxi(地上走行中)
まず、一番最初に飛行機内でシートベルトを締めなくてはいけないのは
「Taxi」と呼ばれるフェーズです。
タクシー???
Taxiとは、ゲートから滑走路まで(またはその逆)、牽引機や飛行機自体の動力によって地上を進むこと。
搭乗が終わって、飛行機のドアが閉まった瞬間から、
乗客は着席をしてシートベルトを締めなくてはいけません。
座ってシートベルトをしてくれないと、飛行機は1ミリたりとも動けないんです!
(と言うか動いてはいけない決まり。FAAと言う連邦航空局の規定でしっかり定められています)
Take Off(離陸)
言わずもかな、滑走路に入って離陸する時には必ずシートベルト着用です!
Cruise(飛行中)
離陸後、巡航高度に達して、安全な場合は機長がシートベルト着用サインを消します。
途中気流の悪いところを通るときは、またシートベルト着用サインが点灯します。
その場合は、速やかに席に戻ってシートベルトを締めてください。
どうしてかって?
危ないからですよ!!笑
電車みたいに、ちょっと揺れてるだけだから大丈夫〜
トイレ行きたいし〜(わかります!!トイレは待ってくれない!!)
大丈夫、これぐらいだったら〜
って、みなさんシートベルトサインをがっつり無視するんですが・・・
これって本当に本当に危ないんです!!!!
シートベルトサインが付いていても、全然揺れない時もあります。
これぐらいなら歩いて大丈夫〜って言うくらいの揺れの事も、もちろんあります。
でも、シートベルトサイン点灯=気流が不安定だったり、悪いところを通る可能性が高い、と言う事なんですね。
サインがついた直後は全然揺れてなくて、数分して、どーん!と高度が下がるような事も珍しくないんです。
私たちフライトアテンダントは、ある程度の揺れまではサービスを続行したり、機内を歩きますが
サインが点灯しているときは、普段よりかなり気をつけて作業をしています。
Landing(着陸)
シートベルトサインは、着陸後ゲートに着くまで点灯しているのですが
意外に立ち上がってお手洗いに行く人が多いのが、着陸直後、地上を走っている時です。
もう着陸したから大丈夫でしょ??地上だし??と言われるのですが
飛行機の着陸後の走行スピード、ご存知ですか??
着陸直後だと、時速200−300キロ、
ゆっくり走っているように見えるゲート直前でも、
時速40キロは軽く出ているんです!
もしシートベルトを外していたり、機内を歩いていたりして
急ブレーキがかかったらどうなるでしょう・・・!?
実際、着陸後走行中に歩き出したお客様が、途中でバランスを崩してこけて
おでこがぱっくり切れて大変だったことがあります・・・。
もうすぐでゲートだったのに、応急処置のために一旦飛行機を止め、
さらに救急隊員の到着を待って・・・。
他のお客様は降りる事が出来ず、乗り継ぎ便に間に合わなくなる方も。
現役FAからのお願い。シートベルト締めてください!!!
脅すわけではないのですが、毎年フライトアテンダントでさえ、
急激な揺れで転倒して、大怪我をする人がいるんです。
今年は、私の仕事仲間が、シートベルトサインがついていない時の
急激な揺れに巻き込まれて、背中を骨折、まだ仕事に復帰できていません・・・。
これはレアなケースなのですが、非常に強い揺れだったため、
彼女は天井まで吹き飛ばされて、腰と背中を強打したそうです。
(ただし、こういったひどい揺れと、飛行の安全性には関連がないことが多く、
めちゃくちゃ揺れるから、飛行機が落ちる〜!と言うことはほぼないのでご安心を。)
なので、お客様には、席についている時には、サイン点灯の有無にかかわらず
シートベルトを締めておいていただきたい・・・。
これは、お客様自身、そして周りの方の安全にも関わるのです。
ちょっと面倒かもしれないし、ベルト閉めたら苦しいなーと思われるかもしれませんが
ぜひ次回のご旅行の際には、心に留めておいてもらえたらなーと思います。
それでは、また! Have a nice day!